新井 一郎

あらい いちろう Arai Ichiro 日本薬科大学

講義内容

漢方コース2023

漢方とは何か 〜漢方との向き合い方〜

漢方は、中国医学が日本流にアレンジされたものです。
特にエキス製剤が健康保険で使えるようになってからは、医師が使用する漢方は、大きく変貌し、現在では、エビデンスに基づいて現代医学的に使用されるようになってきています。
一方、いわゆる「漢方薬局」においては、依然として、伝統医学としての漢方が存続しています。
漢方相談をされている薬局の世界では、これが「ザ・漢方」です。
両者の使用する漢方薬やその剤型はかなり異なります。
両者のどちらを使用すべきか、それぞれの長所と短所は何かについてお話しします。
また、漢方については、定型化された誤った情報が多く流れていますので、それらについてもお話しします。

プロフィール

  • 日本薬科大学大学院薬学研究科 研究科長・教授

経歴・実績

1982年 富山医科薬科大学(現・富山大学)大学院薬学研究科博士課程前期修了
1998年 博士(薬学)
1982~2014年 株式会社ツムラ
2014年~ 日本薬科大学教授(2020年~、現職を兼務)
2004年~ 日本東洋医学会 EBM委員会委員(2015年~、診療ガイドライン・タスクフォース Chair)
2011年~ 国際標準化機構(ISO) TC249 (Traditional Chinese Medicine)エキスパート
2014年~ 日本生薬学会理事
2018年、2021年、WHO西太平洋地区 伝統医学 テンポラリー・アドバイザー

現在の活動やPR

大学における教育・研究・社会活動は当然として、多くの講演活動や、m3.com、月刊ニューライフでの連載をしている。

書籍

  • 漢方薬のストロング・エビデンス(じほう)
  • Asian Medical Industries: Contemporary Perspectives on Traditional Pharmaceuticals(アジアの医薬産業: 伝統医薬の現代的な視点)(Routledge社)※分担執筆
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    受講者へのメッセージ

    漢方薬は、昔の薬と思われている方が多いですが、わが国で数多く使用されるようになったのは最近のことです。
    それをけん引したのは、エキス製剤とその品質の安定化、および効果の科学的証明(エビデンス)です。
    漢方について世間で言われていることには、迷信や間違いが数多くあります。
    「〇〇と言われています」という表現をする方が多くいますが、これは、「証拠がない」ということを、別の言葉でいったものです。
    漢方薬は、どんな難病にでも効く魔法の薬ではありません。
    皆さんのヘルスリテラシーが問われています。

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