
山路 誠一
やまじせいいち Yamaji Seiichi 日本薬科大学講義内容
漢方コース2023
生薬学~きぐすりの学び~
本講義では生薬(しょうやく)とは何かを知り、その性質を学ぶことに焦点を当てます。生薬は動植鉱物を切断や乾燥などの簡単な工程を経て商品となった医薬品ですが、天産品であるがゆえに化学薬品とは異なる性質や特徴を有します。その本質を知るには、科学的情報もさることながら、漢方的観点に基づく生薬の性質や効能を学び、自ら感じ取り、五感を駆使して色、味、におい、性状をはじめとする様々な要素に直接触れることが大切です。
この講義では、生薬の実物を教材として利用し、生薬の特徴に基づいた真贋良否の鑑別技能を身につけられるよう、実体験を重ねつつ、鑑別の基本についてお話しします。
プロフィール
- 専門は生薬学
- 生薬と薬用植物の史的利用に関する研究では、漢方だけでなく日本および世界各地の民間療法の探索ならびにアーユル・ヴェーダ、チベット医学との関連調査や文献考証もおこなっている
経歴・実績
富山医科薬科大学和漢薬研究所(現 富山大学和漢医薬学総合研究所)において大学院生として生薬学的研究に携わって以来、同研究所所蔵の生薬標本の半数以上の整理を通じた経験に基づいた、生薬の真贋良否に関する鑑別を得意とする。
特に組織形態学的手法および本草学的手法を併用した生薬の基源(生薬の元となる動植鉱物の種類と利用部位を含む概念)の解明研究が生業。
現在の活動やPR
医薬品に利用される動植物とそれを基にして製した生薬・植物製品に関する基源情報の蒐集を行っているほか、文化財に描かれた薬用植物の鑑別、いわゆる食薬区分にかかる試料の鑑別技術の確立に関する研究などを行っている。
受講者へのメッセージ
皆さん自身の五感を駆使し、実物の生薬に実際に直接触れる楽しさを一緒に体験し、生薬の深淵な世界に触れてみませんか。