漢方コース
2022
日本独自の医学である漢方、その歴史や考え方、診断の方法を学び、学んだ知識を活かし、より良い暮らしを送ることができるようになることを目的にしています。症例に対する具体的な漢方の利用法なども学習しますので、生活に活かし健康に暮らすための知恵を身につけることができます。
2022年度の各コースへのお申し込みについては、お申込み・入学案内ページ をご確認ください。

新見 正則
講師紹介ページ時代の変化に強くなるには
先が見えない時代だからこそ、健康のため、家族のため、社会の為に生涯勉強することが大切です。これからの時代を生き抜くために必要なワード「レア」、そんな存在になるために必要なのが掛け算、そんな生き方がこれからの時代を生きていくために必要です。また、正解のない時代にどう生きていくか、セレンディピティ(偶然の出会い)を大切にすること、コネクティングザドット(点と点を結ぶ)ことが大切です。
是非、漢方アロマプレミアムコースを受けて人生を豊かにしてください。

新井 一郎
講師紹介ページ漢方概論
漢方は、中国医学が日本流にアレンジされたものです。
特にエキス製剤が健康保険で使えるようになってからは、医師が使用する漢方は、大きく変貌し、現在では、エビデンスに基づいて現代医学的に使用されるようになってきています。
一方、いわゆる「漢方薬局」においては、依然として、伝統医学としての漢方が存続しています。
漢方相談をされている薬局の世界では、これが「ザ・漢方」です。
両者の使用する漢方薬やその剤型はかなり異なります。
両者のどちらを使用すべきか、それぞれの長所と短所は何かについてお話しします。
また、漢方については、定型化された誤った情報が多く流れていますので、それらについてもお話しします。

糸数 七重
講師紹介ページ漢方処方学
現代日本で実際に治療に頻用されている漢方処方の中から、桂枝湯・葛根湯・麻黄湯の“風邪に対する代表的な処方”、当帰芍薬散・加味逍遙散・桂枝茯苓丸の“婦人科疾患に対する代表的な処方”、その他、水滞(水分の代謝やバランスの異常を包括する概念)や気(呼吸、および生命活動の基礎的な機能を包括する概念)の異常に対して用いる処方をそれぞれいくつか例として取り上げ、漢方の特徴的な診断概念である「証」の考え方、およびそれに対する漢方処方の処方構成の考え方について解説します。
漢方古典解説
漢方の本来の構造を学ぶには、古典について正確に理解することが重要です。
この講義では「漢方の三大古典」と呼ばれる『黄帝内経』『神農本草経』『傷寒雑病論』について、その成立過程や内容について解説し、漢方の基礎的な考え方の立脚点の理解を目指します。
さらに唐代の『千金方』『千金翼方』『外台秘要』、宋代の『和剤局方』、明代の『万病回春』等の、各時代の代表的な医書の内容の変遷を概説し、人体や治療に関する考え方が時代とともにどのように変化し、それが現代の漢方治療にどのように反映されているかを俯瞰できるようにします。
漢方症例解説5 高齢者に多い症状に応用できる漢方処方
加齢に伴って発症しやすい疾病や症状、複数の症状を同時に抱えること、かつては「ちょっとした不調」だったものが生活に多大な影響を及ぼし得ることなどは高齢者の健康問題の特徴です。複数の生薬から構成される漢方処方は、これらの問題に対処し、高齢者の健康状態の“底上げを図る”のに適しています。この講義では、高齢者の健康トラブルの代表的な症状とそれに応用できる漢方処方(八味地黄丸、牛車腎気丸、麻子仁丸、六君子湯、麻黄附子細辛湯、補中益気湯、半夏厚朴湯、抑肝散など)、およびその適切な選び方について解説します。

橋本 寛子
講師紹介ページ漢方における病気のとらえ方 、漢方診断学
漢方における病気のとらえ方は、西洋医学的な視点とは異なっています。
西洋医学では検査値に異常が出ないと治療が難しく、自律神経、精神的な問題として片づけられることも多く見られます。
漢方では自覚症状があった場合、その症状から検査値を介さずに病態を漢方的に解釈することができるため、治療を行うことができます。
漢方治療を行うためにはその病態の理解のために、西洋医学とは異なる視点から診断を行います。
本講義ではその特徴的な診断法について実践を交えながらご紹介いたします。
漢方症例解説(感染症の予防と回復)
ここ数年にわたる私たちの生活はコロナという新しい感染症によって、大きな影響を受けています。
人類ははるか昔から感染症と戦ってきました。
抗菌薬の発見以後、感染症の脅威は薄れたかのように思えましたが、まだ新しい感染症が出てくる可能性が示されたのが今回の出来事でした。
抗菌薬の存在しなかった時代の感染症に対する治療法、感染後の体力低下、後遺症に対する治療法など、現代でも役に立つ知識について講義を行います。

山路 誠一
講師紹介ページ生薬学
本講義ではそのものを知り、その性質を学ぶことに焦点を当てます。生薬は動植鉱物を切断や乾燥などの簡単な工程を経て商品になった医薬品ですが、化学薬品とは異なる性質や特徴を有します。それらを知るには、科学的な情報もさることながら、漢方的観点に基づく生薬の性質や効能を学び、自ら感じ取り、五感を駆使して色、味、におい、性状をはじめとする様々な要素に直接触れることが大切です。
この講義では、生薬の実物を教材として配付し、生薬の特徴に基づいた真贋良否の鑑別技能を身につけられるよう、実体験を重ねつつ、鑑別の基本についてお話しします。

石原 新菜
講師紹介ページ漢方と冷え
漢方医学では「冷え」を1つの病態として考えています。
「冷えは万病の元」という言葉があるように、「冷え」が体やメンタルの不調を招くのです。
健康とは「気・血・水」が過不足なく巡っている状態ですが、冷えが「気・血・水」の巡りを悪くし、逆にストレスや運動不足などが原因で「気・血・水」の巡りが悪くなると、これもまた「冷え」につながってしまうのです。
漢方薬のほとんどが体を温める作用であることからも、日ごろから体を温める養生を行い「気・血・水」の巡りをよくすることが大切な考え方になります。
この講座では漢方の基本的な考え方と「冷え」についてお話させていただきます。
漢方と女性の不調
多くの女性が「冷え症」で悩んでいます。
冷えると血流が悪くなり、肩こりや頭痛、生理痛など「コリ・痛み」が生じたり、栄養素、酸素、水分が十分に行き渡らないことで臓器や皮膚の不調が起き、生理不順、便秘、むくみ、肌荒れ、乾燥肌、くすみなどが起こります。
また代謝や免疫力も下がるので、太りやすい、風邪を引きやすい、疲れやすいなどの不調が起こりやすくなります。
女性は冷えやすいからこそ、体を温めることが大事です。
体を温める漢方薬とその漢方薬の選び方、そして実践していただきたい養生法についてお話させていただきます。

藤原 裕未
講師紹介ページ植物の医薬品への応用
本講義では、天然物から得られた成分をもとに作られた化学医薬品について学びます。
発見の経緯から、医薬品として利用できるようにするための薬の開発の歴史も含めて話します。
講義で取り上げる化学医薬品は、現在でも使用や販売がされている身近な医薬品を中心とします。
化合物の構造式など、専門化学の内容にも触れますが、化学の知識がなくても理解できる講義とします。

箱崎 かおり
講師紹介ページ植物の化粧品への応用
植物を利用した化粧品の歴史は古く、紀元前3000年前に誕生したとされる石けんは動物の油と木灰を混合して作られていました。
多種原料の混合物である化粧品は、現代でもオイル、植物エキスや精油、界面活性剤に至るまで植物由来原料が多く活用されています。
昨今では、サスティナブルな環境を意識したライフスタイルを目指す消費者や、植物由来のポジティブイメージが市場に先行していることから、今後も市場は維持されることが予測さます。
本講では、化粧品において重要な価値を担う植物由来成分について解説します。

野口 博司
講師紹介ページ薬食同源と健康長寿
①中国で古来用いられてきた薬食同源の由来を知り、
②医薬品と食品の区分と、食品間でのエビデンス(証拠)に応じた区別のあることを学びましょう。
③花粉症、インフルエンザから胃がんまで効能の謳われる緑茶をはじめとして「健康食品」の機能と証拠について解説します。
④大腸がんの術後に頻用される漢方薬;大建中湯は食品だけで構成されます。大建中湯の謎を解き明かし、健康長寿を目指す薬食同源の一端を理解しましょう。
講義形式:パワーポイントを利用した説明。
参考:国立健康・栄養研究所の「健康食品」の安全性・有効性情報(https://hfnet.nibiohn.go.jp)はかなり良く色々な食品や紛らわしい薬草などについて「正しい」情報を掲載しています。

船山 信次
講師紹介ページ身近な薬草の効果―健康効果や危険性
人類はその誕生以来、常に植物と共に生きてきました。
そして、植物たちは人類にとって生存の基本となる衣食住を提供しているのみならず、あるものは薬草あるいは毒草の形で私たちの生活に密接に関係して今日に至ります。
この講座では、薬毒同源という観点から、このような薬草あるいは毒草と称される植物のうち、身近に存在するものをいくつか取り上げて、その歴史的背景とともに、有用性や危険性を述べていきたいと思います。

杏仁 美友
講師紹介ページ【薬膳の基礎】薬膳の考えや物差しを学ぼう
薬膳のベースは中医学です。
中医学の基本理念に触れ、現代栄養学とは異なる物差しの「四気(ルビ:しき)」「五味(ルビ:ごみ)」「帰経(ルビ:きけい)」を学びましょう。
基本がわかると、自分が好んで食べている食材はどんな効能があるのか、その食材が苦手なのはこういった作用があるからなのかなど、自分と食材との相性を知ることができます。
【薬膳の応用】季節や症状別の薬膳レシピを学ぼう
薬膳のルールを知れば、さまざまな薬膳料理を作ることができます。
今回は季節や症状に合わせた代表的な食材と、カンタン薬膳レシピをいくつかピックアップしてご紹介します。生薬を使うだけが薬膳ではありません。
身近な食材でも、タイプに合えば立派な薬膳になりますよ。

新井 信
講師紹介ページ漢方症例解説6 胃腸虚弱は万病のもと ~胃腸をよくすると元気がでる~
消化器領域は胃がんや大腸がんなどの悪性腫瘍が多いだけでなく、原因不明の腹痛や下痢など胃腸の機能失調に起因する症状も多いのです。
漢方は機能を改善して不快な自覚症状を取り去ることに優れているため、これらの機能性疾患は漢方治療のよい適応となります。
胃腸の症状だけでなく、だるいなどの全身症状、気管支喘息、腰痛なども胃腸虚弱に着目して漢方薬で治療すると、さまざまな病気がよくなることもあります。

鈴木 養平
講師紹介ページ漢方症例解説7 四季の養生・1日の養生
・漢方理論にある「五行配当表」から、気候の変化により私たちの身体はどのような影響をうけるのかを解説
・日々の養生に対する考え方、とらえ方
・朝‐昼‐夜の養生法
・春‐夏‐秋‐冬の養生法
「自然に生きる」ことを、天人合一(てんじんごういつ)といいます。私たちは自然の一部であり、自然とともに生きることが、病気にならない身体を作る大前提になります。漢方理論の原点でもある、黄帝内経・素問(こうていだいけい・そもん)から現代に生かせる四季の養生法、1日の養生法を学んでいきます。「環境と時間」に応じた漢方生活術を身につけましょう!

佐々木 裕伊
講師紹介ページ韓国伝統医学(韓医学)から学ぶヘルスケア
韓国人は健康に高い関心を持っています。
日韓で医療サービス・セルフケアの実態を比較調査したところ、医療利用・セルフケア実施率は、日本人よりも韓国人の方が高いことがわかりました。
特に韓国の伝統医学(韓医学)においては、日常生活にもその考え方が根付いています。
言語を例にとってみても、薬を「食べる」と表現したり、普段のごはんを「補薬」と表現したり、日本とは捉え方が異なります。
本講義では、サプリメントをはじめ、漢方薬・鍼・カッピングなど韓国統合医療、主に韓医学を中心に、韓国人の健康習慣を考えていきましょう。

パク ジニョン
講師紹介ページ韓国の化粧品市場と化粧品の正しい使い方
化粧品事業の発展は、その国の文化商品がどのように成長し、他の文化圏でどのように受け取られるかによって、市場の成長方針や規模が変わるものです。
韓国の化粧品事業は、日本の化粧品事業と緊密な関係を築きながらも、アイドル、ロードサイドショップ、シートマスクに代表されるような、2000年代からの韓流文化の成長が、韓国と日本、化粧品市場の次元を異にする動力となりました。
産業の技術的な発展方針と消費者市場の動きを予測できれば、単に化粧品事業にとどまらず、文化の流れを見通すことができる方法となりえます。
本講義では、日韓両国の化粧品市場について学び、韓国化粧品産業の今後の成長・展望について語ります。
また消費者として、健康な肌のためにどのような化粧品を選び、どのように使用すべきか一緒に考えましょう。